アポトーシスとオートファジー
今日抄読会で昨日紹介した論文を紹介したところ、オートファジーを伴う細胞死とアポトーシスでは何が違うのか?という質問がありました。
なので調べてみました!
細胞の死は、2 種類あります。プログラムされていない死「ネクローシス」と、プログラムされた死「アポトーシス」です。
ネクローシスでは、突然の損傷などによって、細胞が膨張破裂して細胞の内容物を放出し、その一部は周りの組織に害を与える炎症反応を引き起こします。
これに対して、アポトーシスでは、死のプログラムにしたがって、細胞が凝縮し、細胞骨格が壊れ、核膜が分断され、DNA は断片化し、最終的にはアポトーシス小体と呼ばれる小さな凝集体になり、マクロファージに貪食され、消化された成分は再利用されます。
ネクローシスのような炎症は起こさないと言われています。
アポトーシスは、「多細胞生物で個体を健康的な状態に保つために細胞が自ら死を選択すること」だと捉えることもできます。
対してオートファジーは、真核生物における細胞内分解経路の一つです。機能しなくなった細胞内小器官や侵入してきた細菌・ウイルスを膜で包み込み、「オートファゴソーム」という小胞を形成します。
オートファゴソームは、加水分解酵素をもった細胞小器官「リソソーム」と融合し、オートファゴソームの内容物分解されます。
リソソームは、約 70 種類もの分解酵素をもっており、タンパク質、脂質、糖、核酸など、何でも分解できます。
これらの仕組みで分解された物質は再利用され、不要なものは小胞に包まれて細胞膜まで運ばれ、膜の融合で細胞外に捨てられます(エクソサイトーシス)。
しかし、分解しきれなくなると、タンパク質の集積・凝集がおこり、細胞は最終的な解決手段として自殺します。
これは、オートファジーを伴ったプログラム細胞死として、アポトーシスとは区別されています。
ということで、細胞が死ぬ機序はアポトーシスもオートファジーも変わらないけども、そこに至るまでの機序が違うという様に私は解釈をしました!
今週一杯で退職、同時に引っ越しもあるのでいろいろ頑張らなあかん!